研究

モニ1000調査2020

2021年02月01日

環境省モニタリングサイト1000プロジェクト(トップページにリンクがあります)も今年度で15年目です。100年続けるらしいのでまだ15年ですが,それでもよく続いてます。ですがさすがにそろそろ後継者が話題になるようになりました。大学演習林は組織としてその点が担保されているのが売りだったはずなのですが,かならずしも参加している総ての大学で,そううまくいくことはないということらしいです。

少し古いのですが,IUFRO2017で発表した結果の一部です。約90年生の常緑広葉樹林(シイ・カシ林)です。左上の地上部現存量(樹木の量)は10年間でほぼ一定です。1本1本の幹は太くなっている(increment)はずなのに一定なのは,ほぼ同量の枯死(necromass)があるからです(左下)。物質生産的には極相であるといえます。

純一次生産量(右上・植物になった量)もほぼ一定ですが,よく見ると枯死量とジグザグが似ています。これはこの計算方法だと,その年に枯死した量がその年の純一次生産量として計上されるからです。この点が感覚的に?なところです。ただし年変動はともかく生産量が枯死量の影響を受ける程度であるということは,乾燥や台風や病害虫などの影響を受けやすい(数字に表れやすい)状態の森林といえます。

長いことやっていてこそ分かることがある,という成果を目指している研究を,LTER(長期生態系研究)といいます。

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